ARISE analyticsではどんな人が活躍しているの?~データサイエンティストにインタビュー~
こんにちは、広報の岡村です。
ARISE analyticsでは現在、約500名のメンバーが活躍しています。そこで今回は「ARISE analyticsではどんな人が活躍しているの?」と題して、社員に突撃インタビュー!
2021年にARISE analyticsに新卒入社し、データコンサルタントとしてプロジェクトを牽引。チームリードとして活躍した後、現在はAIエンジニアとしてドローンを活用した画像解析プロジェクトに携わる、ベルギー出身の太田幹さんに色々なことを聞いてきました。
イタリアの大学で量子物理学の博士号を取得。就職活動でARISEを選んだ理由は?
岡村:こんにちは。幹さんとはよく飲んだり、遊んだりしているので、改めてインタビューとなると不思議な感じです(笑)幹さんは4か国語が話せるとのことで、これまでどこで暮らしてきたのでしょうか?
幹:パリで生まれてからすぐに日本に来て、10歳まで過ごしました。その後は23歳までベルギーで暮らしていました。そして、修士取得のために2年だけ日本に戻り、その後は博士取得のため4年間イタリアへ渡り、29歳の時にARISE analytics(以下ARISE)に就職するタイミングでまた日本に来ました。
岡村:色んな国を跨いで生活していたのですね。
学生時代の話も聞いてみたいのですが、研究内容はどのようなものだったのでしょうか?
幹:博士課程では、理論物理学の中でも量子物理学という分野で「冷却原子における音波の伝搬」について研究していました。「音」は私たちの身近にある物理現象で、一般的にはある媒体(空気や水など)間を伝搬する「密度の波」を指します。そして音の速度には、媒体に関する情報が数多く含まれています。この音波特有の性質を、あらゆる媒体の性質・中身を調べるために使おうと、まだ謎が多い量子系の媒体(冷却原子ガスと呼ばれる極限まで冷やされた気体)を、音波を使って調べて、どのような情報を得られるのかを明らかにする研究していました。
岡村:なぜ量子物理学を研究することを選んだのでしょうか?
幹:冷却原子は実験研究も活発であるため、構築した理論を確認する術があるので、それが面白いと感じました。式を構築するだけでは机上の空論のように思えてしまう時もあったので、そうではなく目で見られるところが面白いなと。
岡村:ちなみに、そのまま大学に残って研究を続けるという選択肢もあったと思いますが、就職することを選んだ理由はありますか?
幹:修士では3年間かけて2つの修士号が取れる特別なプログラムを履修していました。その後、博士号も取得したため気づいたら10年ほど大学にいました。このままアカデミックな分野に居続けるのも良いけど、外の世界を知らないのも勿体ないと思い、就職してみようと決めました。
岡村:なるほど。就職したら日本で働くと決めていたのでしょうか?また、ARISEを選んだ理由も聞きたいです。
幹:就活時は色んな国の求人を見ていましたね。ドイツ企業の研究職や、オランダの特許事務所など幾つか候補がありました。ただ、直近でヨーロッパに長く滞在していたことと、日本が恋しくなったのもあって、日本企業でも良いところがあったら応募したいと思っており、そんな時にARISEを見つけました。
ARISEに決めた理由の一番は、フィーリング。自分は理論物理を専攻していたのでロジカルに回答したいところですが(笑)、面接で社長に聞かれた際にもこう答えました。とくに一緒に働きたいと思う人が沢山いたこと。面接を受けて社員の方と話す中で、どの方も質問への受け答えが真摯で明瞭だったのが印象的でした。
データコンサルタントからAIエンジニアへ。新しい道を切り拓く幹さんのキャリア観
岡村:ARISEに入社後は、どのような業務を行っていたのか教えてください。
幹:2021年6月に入社して新卒研修を受けた後に配属された「通信ARPU*1 向上プロジェクト」に2年ほど携わりました。このプロジェクトは端的にいうとユーザーの趣味嗜好や行動の分析を行い、それぞれに最適な広告を配信するなどのアプローチによって、サービス利用の向上を目指すものです。配属されたタイミングでプロジェクトが立ち上がったこともあり、初めは自分とSVとの2名体制でプロジェクトを推進していました。そこで分析設計・実行・検証・クライアントへの報告など、データコンサルタントとしてのスキルを一通り磨くことができました。1年半後にはチームリードとして、配下メンバーと一緒にプロジェクトを推進していました。
現在は、データコンサルタントからAIエンジニアにキャリアチェンジし、技術開発チームでドローンを活用した画像解析プロジェクトに所属しています。KDDIでは通信環境整備のために基地局鉄塔を持っているのですが、膨大にある鉄塔を人手で定期的に点検することは、危険も伴い大幅なコストもかかります。そのコスト削減を狙う方法としてドローンを動かして昇降点検を行い、その映像をAIに読み込ませて異常や故障などの検知を行うというものです。
岡村:ARISEでキャリアトラック *2という制度が出来て、まだあまり経っていないこともありますが、データコンサルタントだった方がAIエンジニアにキャリアトラックを変えるというのは、珍しいですよね。幹さんの例をきっかけに、これから同じような挑戦をする人が増えるかもしれませんね。
幹:そうですね。私はこれまで色んな国で生活してきたので、環境を変えることを厭わないというか、フットワークの軽さには自負があります。このスキルを身に着けたいというよりは「新しいことができるところに身を置いてみたい」という意欲が常にあるので、固執せず流動性のあるキャリアを築くことが自分には合っていると感じます。
AIエンジニアにキャリアチェンジすることについても特に迷いはなかったですね。
岡村:なるほど。これまでの人生で培った価値観がキャリアの考え方にも繋がっているんですね。
幹さんは業務外の活動にも積極的に参加して、会社全体を盛り上げている印象があります!業務外の活動で、今注力しているものも聞いてみたいです。
幹:はい。もともと学生時代から人にものを教えるのが好きだったので、教育関連の取り組みに参加することが多いです。新卒社員研修の一部であるコアスキル研修の講師を務めたり、SDGsの取り組みの一環で、早稲田大学や関西大学などでデータ分析を体感してもらうPBL(Project Based Learning)形式での講義を行ったりしています。
また、今年初めて実施した就職活動中の学生を対象にした「1Day仕事体験」の設計や企画、講師も行いました。データサイエンスに触れたことのない学生の方に、私たちが普段どのようにプロジェクトを遂行しているか知ってもらえるように工夫して企画しましたね。
あとSDGsの取り組みで「アクセシビリティマップ(子育て世代が必要とする諸施設へのアクセスを可視化できるマップ。引っ越し先検討などのシーンで利用してもらうことを想定)」を開発するチームにも所属して、リーダーを担当しています。AIエンジニアにキャリアチェンジしたので、このチームで技術のキャッチアップも出来れば良いなと思っています。
どの活動も普段業務で関わりのない他部署の方と一緒に取り組むことが多く、楽しんでいます!
岡村:すごく色んな活動に携わっていますね!幹さんが企画した1Day仕事体験に、取材で1日だけ同席したのですが、学生の方にわかり易いようARISEのデータサイエンティストの業務をかみ砕いて設計されており、感動しました。
ちなみにARISEに入社してから、ご自身が成長したと思う点はありますか?
幹:大学では経験できなかったことで学びを得て、それが成長に繋がっている実感があります。
例えば大学では、自分のために研究を行っていた気がしますが、会社ではコンサルタントという立場でクライアントが目的を達成するためにプロジェクトを遂行していきます。クライアントと目線を合わせてコミュニケーションを取ることや、中長期的な計画と目標を立ててプロジェクトを遂行することは新しい経験で、勉強になることばかりでした。
また、チームリ―ドを担ったことで、個人の力ではなくチームでいかに力を発揮するかを考えるようになり、その経験も新鮮で楽しかったですし、さらに自分を成長させてくれました。
岡村:なるほど。ちなみに幹さんが思う、ARISEの魅力はありますか?
幹:入社の理由も「人」だったのですが今もそう思っています。優秀で成長意欲の高い仲間が多いですし、気の合う人も多く常に自分を引っ張ってくれます。
相手の意見を受け止めて否定はしない。日本・ベルギー・イタリアで暮らして身に着いた、幹さんのコミュニケーション術
岡村:幹さんと過ごしていると、人とのコミュニケーションがとても上手な方だなと感じます。何かコミュニケーションで心がけていることなどはありますか?
幹:上手ではないですよ。今でも初対面の方と話す時は緊張するし、苦手です。
ですが、強いて挙げるならば「自分の考えと異なる人がいても否定はしないこと」でしょうか。色々な国で生活してみて、様々な価値観に触れたり、自分もその時いる場所によって考え方が変わったりしてきたので、物事の見方はひとつだけではないと考えています。そのため、例えば会議で自分と異なる意見の人がいても、まずは受け入れてみて、否定はしないように心がけています。
ですが「なぜこの考えに至ったのか、自分と真逆の意見が出てきた理由はなんだろう?」と、責め立てる感じではなく、純粋に気になったこととして必ず質問するようにはしています。そうすることで、もしその意見に同意できなかったとしても、心の中で「一緒に働く相手はこういう考え方をする人なんだ、今度からこういったコミュニケーションを心がけよう」と相手への理解も深まります。また、自分の視野を広がるきっかけにもなります。
「相手の意見を否定せず、受け入れること」はコミュニケーションにおいて当たり前に聞こえるかもしれませんが、信頼関係を構築するのにはとても重要だと思います。
岡村:すごく素敵な心掛けですね。私も見習います!
最後に、この記事を読んでくれている方へ、メッセージやアドバイスをお願いします。
幹:ARISEはヨーロッパのアイルランドに本社を置くアクセンチュアと、日本企業であるKDDIのジョイントベンチャーです。私もベルギーと日本のハーフで、なんとなく自分のバックグランドに近しいものを感じたことが、最初にARISEに興味を持ったきっかけでした。
そんな小さなきっかけでしたが、今は素敵な先輩や仲間に出会って楽しく仕事しています。きっかけは僕のようにどんなことでも良いので、まずは興味があったらARISEの誰かと話してみて、HPやSNSなどでは伝わりきらない会社の魅力を知って欲しいですね。